『ジョジョの奇妙な冒険』の第5部では、主人公ジョルノとその仲間たちが、ギャング組織パッショーネとの激しい戦いを展開します。この組織は、その神秘性と複雑な構造で知られています。
パッショーネは、数多くのスタンド使いを擁する強力なギャング組織です。しかし、その全貌は謎に包まれています。今回は、この不透明な組織の構造と主要メンバーに焦点を当ててみましょう。
パッショーネに入団するためには、厳しいテストをクリアする必要があります。これにより、組織の秘密を守るための忠誠心と能力が試されるのです。
『ジョジョの奇妙な冒険』第5部パッショーネの概要
パッショーネは、『ジョジョの奇妙な冒険』第5部の物語において重要な役割を果たすイタリアのギャング組織です。組織名「パッショーネ」はイタリア語で「情熱」を意味し、その名が示す通り、彼らの行動は情熱的であります。
パッショーネの事業と支配範囲
本組織はネアポリス市内の多岐にわたるビジネスを支配下に置いています。具体的にはホテル、港の運送会社、建築会社、葬儀屋、そしてレストランがこれに含まれますが、主要な収入源は賭博と麻薬の取引です。物語のナレーションによると、彼らの影響力はネアポリスを超え、イタリア全土やヨーロッパにまで広がっているとされています。
組織構成員とその生活
パッショーネは合計で756名の構成員を有しており、彼らの多くは表向きは普通の職業に就いています。
例として、物語内では床屋、タクシー運転手、おもちゃ屋などが登場します。一般市民と同じ私服を着用しており、これは目立ちすぎないよう暗殺を避けるためです。ただし、組織のメンバーは識別のためにバッヂを持っており、これが敵味方の識別に用いられます。
パッショーネの幹部構成
『ジョジョの奇妙な冒険』第5部におけるパッショーネ組織では、主要な幹部の多くがストーリーの背景に留まりますが、数名のキャラクターが重要な役割を果たしています。
主要な幹部たち
ポルポは、ブチャラティが所属するチームのリーダーであり、彼の直接の上司として描かれています。ポルポの死後、ブチャラティは遺産を組織に献上し、その功績により幹部へと昇格します。ペリーコロは、この遺産の受け渡しとブチャラティの昇格を仲介し、新たな任務を彼に伝える重要な役割を担っています。
なお、ペリーコロはスタンドを使用しない数少ないキャラクターの一人で、彼の具体的な役割や所属チームは明確にされていません。
幹部の役割と管理業務
パッショーネの幹部はそれぞれ2～3の専門部隊を管理しており、これには暗殺部隊や情報管理部隊などが含まれます。また、組織内のスタンド使いが多いにも関わらず、すべての幹部がスタンド能力を持っているわけではないことが興味深い点です。地区ごとに配置されたチームの管理も彼らの責務に含まれており、実際には上記の3人以外にも多くの幹部が存在していると考えられます。
パッショーネの組織図構造
パッショーネは、緻密に構築されたギャング組織で、その構造は以下の通りです。
組織の階層
- ボス：ディアボロ。彼の直属の親衛隊にはスクアーロ、ティッツァーノ、カルネ、チョコラータ、セッコが含まれます。
- 参謀：ヴィネガー・ドッピオ。
- 幹部：ポルポ、ブチャラティ、ペリーコロなど。
- 専門部隊：護衛チーム、暗殺チーム、麻薬チーム、情報管理チーム、賭博管理チーム。地区ごとに分けられたチームも存在。
主要メンバーと役割
ディアボロの直下には複数の幹部がおり、彼らを通じて専門部隊への命令が下されます。
例えば、ブチャラティチームにはジョルノ・ジョバーナ、ブローノ・ブチャラティ、レオーネ・アバッキオ、グイード・ミスタ、ナランチャ・ギルガ、パンナコッタ・フーゴ、トリッシュ・ウナが所属しています。
また、暗殺チームにはリゾット・ネエロ、ホルマジオ、イルーゾォ、プロシュート、ペッシ、メローネ、ギアッチョ、ソルベとジェラートが含まれています。ディアボロの親衛隊は特殊事例であり、状況に応じて役割が変わることがあります。
組織内での昇格は、大金を上納することによって可能となり、幹部への道が開かれます。組織の秘密を守る重要なルールとして、ボスの正体を探る行動は厳禁であり、違反した場合の処罰は死に至るものです。
パッショーネのメンバー入団テスト
パッショーネでは新入団メンバーの選抜に厳しい試験が設けられています。この試験は主にポルポによって行われ、面接と実技の両方が含まれます。
実技試験の特異な内容
実技試験では、ポルポが刑務所にいることを利用したユニークな試験が課されます。具体的には、ポルポから受け取った点火されたライターを24時間保持し、次の面会時まで火が消えないようにするというものです。ただし、この試験は簡単ではありません。刑務所の厳格なボディチェックを通過し、ライターを没収されずに持ち続ける必要があります。
合格者にはパッショーネのバッヂが授与され、組織への忠誠心とスタンド使いとしての潜在能力が評価されます。特に、ライターの火が偶然消えた場合、ポルポのスタンドが発動し、受験者にスタンド能力の発現を促す矢が使用されることがあります。
試験の意義と目的
この試験は単に技術や忠誠を測るだけでなく、組織にとって重要なスタンド使いを発掘する目的も持っています。スタンドの適性がある者は特に重宝され、その他の忠実な人材も組織の駒として価値が認められます。ポルポの試験は、パッショーネの新しい力として、様々な潜在能力を持つ者を見極めるためのものです。
まとめ考察
パッショーネの組織構造や入団テストを通じて描かれるテーマやメッセージには、以下のような点が考察されるかもしれません。
組織の構造と権力の象徴
パッショーネの詳細な組織図とメンバー構成は、権力の階層と組織内での地位の重要性を強調しています。ボス、幹部、専門部隊という階層は、各メンバーの役割と権力のバランスを示しており、組織の効率性と秘密保持の重要性を浮き彫りにしています。このような階層制は、実際の犯罪組織だけでなく、一般的な企業や政府機関にも見られる構造であり、権力の集中と分散が如何に人間関係や組織の運営に影響を与えるかを探る一環と言えるでしょう。
入団テストとその象徴性
入団テストは、新メンバーの選抜だけでなく、組織に対する忠誠心や適応力を試す手段として機能しています。特に、ライターの火を24時間消さずに保持する試験は、単なる忍耐力だけでなく、厳しい状況下での判断力や独創性を試すための象徴的な挑戦です。また、このテストによってスタンドの能力を持つ者を見極めることができるという点は、組織が個々の特殊能力を高く評価していることを示唆しており、そのような能力が組織内での昇進や重要任務への関与を決定する重要な要素であることを強調しています。
スタンド能力と人材の価値
スタンド能力の発現が可能な者は、組織において特別な価値を持つとされています。これは、ただの忠誠心や勤勉さだけでなく、特異な才能や能力が如何に重要かを示しているとも取れます。組織はこれらの能力を利用してより大きな力を行使することができ、したがってスタンド使いは戦略的なアセットとして非常に重宝されます。
まとめ
これらの要素は、「ジョジョの奇妙な冒険」第5部を通じて、組織の内部動態や個々のキャラクターの成長、彼らが直面する倫理的・道徳的問題を深く掘り下げるための道具として機能しています。作者はこれらの複雑なテーマを絡めることで、読者に対して人間性、権力、忠誠、個人の価値などについて考えさせることを意図しているのかもしれません。
