安倍智里先生の八咫烏シリーズに夢中です。中でも興味深いキャラクター、あせびに注目しています。
シリーズの第一作『烏に単は似合わない』では、あせびが主人公です。この物語で彼女は、世間を知らない美しい少女として描かれていますが、彼女の驚くべき行動と長琴の演奏技術は、他のキャラクターや読者をも騙すほどです。
そして第九作『追憶の烏』で、あせびのその後が描かれ、彼女の意外な再登場は誰もが驚く展開となっています。
この記事では、あせびのキャラクターに焦点を当て、彼女の経歴やその驚くべき発展をネタバレ含みで解説します。まだシリーズを読んでない方はご注意を。
あせびは、東家の二の姫として若宮の花嫁候補の一人でもあります。彼女の名前「馬酔木」の由来にも深い意味が込められており、彼女の母、浮雲は現天皇のかつての愛人です。また、あせびは長琴の名手としても知られ、その技術は多くの人々を魅了します。彼女にサイコパス説があるのも無理はありません。
『烏に単は似合わない』で描かれるあせびの物語や、彼女が若宮の次の金烏の母としてどのように行動するのか、その詳細を紐解いていきます。
八咫烏シリーズのあせびとその深い背景
あせびの名前の由来とその象徴性
「あせび」という名前は、毒を持つ馬酔木から取られており、彼女の母・浮雲が以前今上帝の愛人であったことも影響しています。この背景は、あせびが持つ複雑な家族関係と彼女の性格に深い影響を与えています。
あせびの登場と彼女の立ち位置
八咫烏シリーズにおいて、あせびは東家から桜花宮へ登殿した若宮の花嫁候補の一人です。本来は彼女の姉が登殿するはずでしたが、顔に痕を残す病にかかったため、あせびがその役割を引き継ぐことになりました。
あせびの特技と彼女の内面
あせびは長琴の名手であり、その才能は母から受け継いだものです。彼女の演奏は今上帝を魅了するほどで、彼女自身も複雑な感情を内に秘めています。
性格に難ありのサイコパス
あせびはその外見の美しさとは裏腹に、計算高く、他人を利用することから「サイコパス」とも評されます。彼女は自己の目的を達成するためなら手段を選ばず、その過程で多くの人々を破滅に導いています。
あせびの複雑な人間関係
あせびの行動は多くの悲劇を生み出し、彼女自身の愛されない孤独を深める一因となっています。彼女の行動は家族の期待と個人の欲望が交錯する八咫烏シリーズの重要なテーマを反映しています。
八咫烏シリーズのあせびのその後と秘密の関係
あせびと今上陛下の秘められた結びつき
八咫烏シリーズのあせびは、若宮の父である今上陛下と密かに関係を持っていました。この接点は、あせびが桜花宮に登殿した際に宝物庫での一件から始まります。彼女は長琴を見事に演奏し、偶然居合わせた今上陛下との関係が始まります。
あせびの母親・浮雲と今上陛下の過去
今上陛下はあせびの演奏に彼女の母・浮雲の面影を見ています。浮雲は今上陛下の旧知の中の一人で、その子であるあせびへの思いは複雑なものでした。この過去が、あせびが「浮雲」と名付けられた長琴を受け継ぐきっかけとなります。
あせびのその後と未来
『追憶の鳥』であせびは再登場し、今上陛下の息子を出産しています。彼女の息子は最終的に若宮の次の金烏に即位することになります。あせびの戦略とその果敢な行動は、彼女が如何にして四家の力を巧みに操ったかを示しています。
今上陛下の行動とその影響
出家したはずの今上陛下が女性との間に子供を設けるという行動は、彼が最高権力者としての特権を行使したことを示しています。この事実は、東家の当主があせびの秘密を守る上での計算と策略の深さを物語っています。
あせびの冷静さと計算高さ
あせびは、自らの行動を「今上陛下を慰めるため」と正当化していますが、その背後には彼女の計算高さと戦略が見え隠れします。今上陛下との関係を利用し、自らの地位を不動のものとしていますが、今後の彼女の動向から目が離せません。
まとめ感想
八咫烏シリーズのキャラクター、あせびについての感想は、彼女が持つ複雑な性格と彼女の行動の背後にある動機が非常に興味深いです。
あせびは外見的には美しく、無垢な少女のように描かれていますが、彼女の行動は計算高く、しばしば自己中心的であることが明らかにされています。特に、今上陛下との秘密の関係やその後の展開は、あせびがどれだけ戦略的かつ狡猾であるかを示しています。この複雑さがあせびのキャラクターを魅力的でありながらも、一部の読者には警戒感を抱かせる理由です。
全体として、あせびのキャラクターは、彼女が過去の影響をどのように利用し、自己の目的のためにどのように他人を操るかを理解することでさらに理解が深まります。彼女の行動は時に冷酷無比に見えますが、その行動の背後にある心理や動機を掘り下げることで、彼女の真の複雑さが浮かび上がります。