『銀河英雄伝説』は田中芳樹による小説が原作で、アニメ化もされた人気作品です。この作品は、原作小説だけでなく、アニメも熱狂的なファンを持つことで知られています。これまでに2度のアニメ化が行われ、それぞれの時期には漫画化もされています。漫画は道原かつみ版と藤崎竜版の2つのバージョンが存在します。
オンラインで「銀英伝の漫画がひどい」という一部意見が見受けられます。これは、漫画のどの側面を指しているのでしょうか?
また、これらの漫画版がどのようにして連載を終了したのか、打ち切りだったのか、それとも完結したのかについても調査しました。
道原かつみ版『銀河英雄伝説』は打ち切りではない
『銀河英雄伝説』の漫画版、特に道原かつみによる作品が打ち切りで終了したかどうかについての疑問について解説します。
連載終了・完結した背景
道原かつみ版『銀河英雄伝説』は、原作小説の5巻途中までを描いた後、連載が終了しました。
この終了は、打ち切りによるものではなく、道原先生自身からの申し出によるものでした。彼の判断により、「卒業」として連載を終えることになりました。
公式の発表によれば、作者の意向を尊重する形での終了であり、今後の単発の仕事も期待されています。
刊行巻数と内容
道原版『銀河英雄伝説』は、3つのシリーズで合計16巻が刊行されました。
これらの巻数は、さまざまな出版社からリリースされており、ファンにはアクセスしやすい形で提供されています。
特に「銀河英雄伝説」全11巻は、キルヒアイスに関連する重要な事件が描かれており、主要なストーリーラインが網羅されています。
また、「銀河英雄伝説外伝 黄金の翼」や「銀河英雄伝説 英雄たちの肖像」といった外伝も含め、様々な視点から物語が展開されており、これらも完結しています。
道原かつみ版銀河英雄伝説の評価:本当にひどいのか?
銀河英雄伝説の漫画に対する評価は、ファンの間で大きく分かれています。
一部からは否定的な声も上がっていますが、実際のところはどうなのでしょうか?
道原かつみ版の評価
道原かつみによる初のコミカライズ版『銀河英雄伝説』は、ファンからの評価が分かれるところです。特に問題視されているのは、以下の点です。
- 未完での連載終了:原作小説の5巻途中でストーリーが止まり、連載が終了してしまいました。ファンにとっては大きな失望材料となりました。
- 重要シーンの省略:原作での重要な戦闘シーンやキャラクターの成長が省略されたため、物語の流れが不自然に感じられることがあります。
- キャラクターの変更:ルビンスキーのキャラクターを女性の「ルビンスカヤ」として再設定したことが、ファンからは不評です。この変更は原作者との相談のもと行われましたが、批判を招く結果となりました。
これらの点が、「ひどい」とされる理由となっていますが、改変は作者の意向による部分もあります。完結を迎えていないため、評価が固まることはなさそうです。
道原かつみ版『銀河英雄伝説』の魅力
『銀河英雄伝説』の道原かつみ版は、その特徴的な描写と忠実なストーリー展開で評価されています。
道原版の最大の魅力はその美麗なアートワークです。緻密に描かれたキャラクターと背景は、多くのファンを引きつける要素となっています。
- 絵の美しさ:細部にわたる描写が詳細で、特に帝国軍の将校たちの制服や軍艦のディテールは非常に精巧です。この点が視覚的に魅力的であると多くの読者に評価されています。
- セリフとストーリー:原作のセリフやストーリーを忠実に再現しており、複雑な政治劇も適切に表現されています。原作ファンにとっては物語の深みを理解しやすく、原作の雰囲気を損なわないため高く評価されています。
自由惑星同盟のキャラクターたちも、その個性が生き生きと描かれており、物語に豊かな彩りを添えています。親しみやすさとキャラクターの魅力が伝わる作品となっており、多くのファンから愛されています。
藤崎竜版『銀河英雄伝説』の連載移籍
道原かつみ版の『銀河英雄伝説』に関して解説したので、同じように漫画連載をしている藤崎竜版についても解説します。
藤崎竜版はヤングジャンプで連載が開始された後、ウルトラジャンプへと移籍しました。
移籍の背景
連載開始時の人気は高く、連載順位は4位という成績でした。このため、当初から打ち切りの対象ではなかったとされています。
移籍の主な理由は、藤崎先生をサポートしていたヤングジャンプの編集長がウルトラジャンプに移動したため、いわゆる「引き抜き」としての移籍が行われたと推測されています。
連載の現状と進行
現在、藤崎竜版『銀河英雄伝説』はウルトラジャンプで依然として連載中です。2023年12月18日時点で最新話は266話であり、最新の単行本は28巻が2023年12月19日に発売されました。年に3〜4冊のペースで新刊が刊行されており、次回の発売予定は2024年3月頃となっています。
藤崎竜版『銀河英雄伝説』の特色と評価
藤崎竜によるコミカライズ『銀河英雄伝説』も、その独特の演出と表現方法で意見が分かれる作品です。以下、この版の良し悪しについて詳細を掘り下げてみましょう。
評価が低い点:少年漫画風のギャグとリアクションの大きさ
このコミカライズは少年ジャンプ系の漫画としてアレンジされており、特にラインハルトやキルヒアイスの少年時代のギャグ風味が強く、リアクションも大きいです。これが原作のシリアスな雰囲気と異なり、ファンからの評価は低めです。セリフの改変もしばしば指摘され、原作の名セリフが損なわれていることに批判が集まっています。また、ヤンの戦略が十分に伝わらない点も問題視されています。
評価が高い点:アクセスしやすいストーリー構成と戦闘シーンの描写
若い読者層にも理解しやすくするため、ラインハルトの少年時代から順を追って物語が展開されています。これにより、新しいファンでも物語に入りやすくなっています。特に戦闘シーンは、旧アニメのメカデザインを忠実に再現しており、その細密な描写と戦略の説明は読者に高く評価されています。戦闘を重視する読者には、非常に魅力的な描写が多いと言えるでしょう。