【鬼滅の刃】において、多種多様な呼吸法が登場します。
これらは人間が鬼を討伐するために編み出された秘伝の技術で、身体能力を高めるものです。
水の呼吸や炎の呼吸など、使用者によって様々なタイプが存在します。
主人公の炭治郎は当初、水の呼吸を学んでいましたが、自分に適さないと感じていました。
その後、竈門家の伝統である「ヒノカミ神楽」という舞を取り入れた呼吸法を身につけます。
この変化が炭治郎の戦いをより一層活発化させました。
ヒノカミ神楽(日の呼吸)とは
ヒノカミ神楽は、火を基本とする呼吸法です。
作中で「炎の呼吸とは異なる」と説明されており、さらに「日の呼吸」と呼ばれています。
つまり、太陽をイメージした技術と言えます。
現在、鬼殺隊員が使用している多くの呼吸法は、日の呼吸から派生したものです。
このため、日の呼吸は「始まりの呼吸」とも呼ばれ、非常に特別な存在です。
それでは、ヒノカミ神楽(日の呼吸)について、詳しく見ていきましょう。
日の呼吸・ヒノカミ神楽の型一覧
円舞
ヒノカミ神楽を習得した際、最初に繰り出したのは円舞でした。
蜘蛛の鬼が支配する那田蜘蛛山で、下弦の伍・累との戦いで使用されました。
1番目の型「円舞」
- 両手で柄を握り、上から下へ刀を振り下ろす技
- 攻撃時には滑らかな軌道から「円」のようなエフェクトが生まれる
別の技として、「円舞一閃」という技も存在します。これは、上弦の肆・半天狗との戦いで炭治郎が使用しました。
これは、善逸が雷の呼吸について話したことを聞いた炭治郎が考案したオリジナル技です。円舞一閃は、上下に振るう「円舞」とは異なり、横に振りかざします。
雷の呼吸を模倣し、筋肉の繊維や血管を空気で満たし、力を足に集めます。そして、雷鳴のように空気を切り裂いて一気に高速で動く技です。
碧羅の天
無限列車編で、下弦の壱・魘夢に止めを刺したのがこの技です。
2番目の型「碧羅の天」
- 宙に舞い、横向きに回転することで円を描いて攻撃する
- 技の発動時には炎に包まれた円が描かれる
- 「碧羅天」とは晴れ渡った青空を意味し、この技が太陽を象徴している
烈日紅鏡
鬼の棲む吉原遊郭編や無限城決戦編で上弦の参・猗窩座に使用されました。
3番目の型「烈日紅鏡」
- 左右に刀を振りかざし、全周囲に対して隙を作らせず攻撃する技
- 「烈日」は夏の太陽が強く照りつけるような激しい勢いを意味し、「紅鏡」は紅色に輝くまるい鏡を指す
- 相手が攻撃してきた際のカウンター技としても使用可能
炎舞
1つ目の型「円舞」と同じ名前ですが、効果は異なります。
円舞が上から下に攻撃するのに対し、炎舞はどの角度からでも攻撃可能です。
4番目の型「炎舞」
- 1度躱されてもすぐに2撃目に移行できる連続攻撃技
幻日虹
吉原遊郭編や無限城決戦編で、上弦の陸・堕姫や妓夫太郎、さらに猗窩座に対して使用されたのが「幻日虹」です。
5番目の型「幻日虹」
- 相手に残像を見せて攻撃をかわす技
- 高速の捻りと回転を使って、攻撃をかわす特殊な舞
- 視覚に優れた相手ほど、その残像を鮮明に捉えやすい
灼骨炎陽
6番目の型「灼骨炎陽」
- 刀の切っ先が陽炎のように揺らぎ、相手の長さの感覚を狂わせる攻撃
- 斬られた相手は、その部分が灼けるように痛み、上手く再生ができなくなる
- 10番目の型「飛輪陽炎」と似ている(後ほど解説)
陽華突
炭治郎が上弦の肆・半天狗との戦闘シーンで使用したのが7番目の型「陽華突」です。
- 日の呼吸の中で唯一の突き技
- 技を繰り出すと、華のように炎が演出される
- 鬼の首を斬ることはできないが、技の威力は高い
日暈の龍頭舞い
8番目の型「日暈の龍頭舞い」
- 炭治郎の動きに合わせて炎の龍が舞う派手なエフェクト
- 相手が横を素通りされたと思っても、その時にはすでに斬られている
- 複数の敵に対しても有効な技
火車 (かしゃ)
9番目の型「火車」
- 前宙するような姿勢で、遠心力に身を任せて回転斬りをする
- 水の呼吸の弐ノ型「水車」の火バージョン
飛輪陽炎
10番目の型「飛輪陽炎」
- 攻撃は単純だが、陽炎のようにゆらゆらとしていて回避が難しい
- 避けたつもりでも、斬られているように見える
斜陽転身
無限城決戦編で猗窩座の首を斬った技が11番目の型「斜陽転身」です。
- 宙に巻きながら、頭は下、足は上というように上下反転する
- 攻撃は水平斬り
- 名前の通り、姿勢を変化させて「陽が傾くように」する
輝輝恩光
12番目の型「輝輝恩光」
- 十字架のような大きな炎のエフェクト
- 炎自体が相手を斬るイメージで、炭治郎の太刀筋よりも炎が重要
- 「輝輝」は光輝く、「恩光」はありがたい光を意味する
- 無惨が避けられないほどの確実性を持つ大技
13番目の最強の技も解説
上記では、ヒノカミ神楽の1~12番目の型を解説しました。
しかし、煉獄千寿郎からは全13型だと報告を受けています。
その幻の13番目の型は存在するのでしょうか?
以下、解説します↓↓
13番目の型は1〜12を連続使用することで一体化する最強の技
いきなり結論ですが、ヒノカミ神楽に13番目の型は存在しません。
しかし、あることを行なうことで13番目の型として認識する方法があります。
それは、全型を連続使用することです。
「円舞えんぶ」「碧羅の天へきらのてん」「烈日紅鏡れつじつこうきょう」「炎舞えんぶ」
「幻日虹げんにちこう」「灼骨炎陽しゃっこつえんよう」「陽華突ようかとつ」
「日暈の龍にちうんのりゅう 頭舞いかぶりまい」「火車かしゃ」
「飛輪陽炎ひりんかげろう」「斜陽転身しゃようてんしん」「輝輝恩光ききおんこう」
これを連続使用することで、全ての型が一体化し1つの型となるようです。
これこそが、13番目の型の正体です!
なので1~12番目の型は、独立しているように見えますが、1つの型がそれぞれ細切れにされただけでした。
継国縁壱によって考案され竈門家の舞「ヒノカミ神楽」として受け継がれた
元々、日の呼吸を考案した人物は「継国縁壱つぎくによりいち」です。
天才だった彼は剣の高みを目指すようになり、次第に呼吸法を取り入れていきます。
そうして出来上がったのが「日の呼吸」であり、当時の剣士たちに指南しました。
これにより、使い手によって剣術の色が違うので、さまざまな呼吸へと派生していくのです。
さらに、縁壱は炭治郎の祖先・綱吉つなよしと出会います。
そこで、世話になったこともあり竃門家に「日の呼吸」を、代々受け継いでもらうことになりました。
実際に技を使用している描写はないが縁壱がすでに見せていた
まだ鬼の猛威が少ない時代に、縁壱と無惨の2人は出会っていました。
そして、縁壱によって無惨はバラバラにされてしまいます。
命からがら逃げ出した無惨は、日の耳飾りを付けていた縁壱をそこから畏怖しました。
なので、炭治郎に執着していたのです。
この時に、無惨の身体を細切れにした縁壱の技こそ「13番目の型」だと言われています。
縁壱は「透き通る世界」に踏み入れることができるので、無惨の特異体質を見ていました。
なので、「心臓が7つ」「脳が5つ」あることを知っていたのです。
縁壱は、鬼の寿命や無惨の執着を理解していたので、数百年後にまた厄災がもたらされると分かっていました。
なので、再び無惨が現れた時に滅殺してくれる剣士に届くように、簡素化して1~12番目の型に分けます。
これを、竃門家がヒノカミ神楽の「舞」として代々受け継いでいき、炭治郎へと伝わったのです。