鬼滅の刃、その終幕が多くのファンに惜しまれながら迎えられました。人気は未だ衰えず、アニメも引き続き放送されており、その勢いは続いています。
しかしながら、この作品にはいくつかの伏線が未回収のまま残されていると言われています。
今回は、そうした未解決の謎や伏線についてピックアップし、詳しく紹介していきます。
鬼滅の刃の謎：炭治郎の父・竈門炭十郎の能力と正体
炭治郎の父、竈門炭十郎は「鬼滅の刃」の中で重要な存在でありながら、彼の過去や能力には多くの謎が残されています。
故人として描かれる炭十郎ですが、炭治郎の回想や物語の中での重要な場面で登場し、その強さや技能を垣間見せています。
炭十郎の特異な能力と「ヒノカミ神楽」
炭十郎は病弱でありながら、「ヒノカミ神楽」を極めた人物で、雪の中を一晩中舞い続けるという驚異的な精神力と体力を持っていました。また、彼は病死する直前に、自宅近くに現れた熊を小さな斧だけで討伐するという、常人離れした身体能力を披露しています。これらの逸話から、彼が全集中の呼吸を会得していた可能性が高いと推測されています。
透き通る世界の習得と痣の謎
炭十郎には生まれながらに痣がありましたが、これが他の隊士たちと同様に発現させたものかは明らかにされていません。炭治郎が透き通る世界を会得した後、猗窩座との対戦で「いるはずのない異物」と形容されたことが、炭十郎も同様の能力を持っていた可能性を示唆しています。炭治郎が彼を「植物のような人」と表現したのは、その穏やかさと優しさを指すものであったかもしれませんが、透き通る世界への洞察を含む可能性も考えられます。
炭十郎の死因とされる「痣の寿命」による早逝も、彼の力の源泉とその代償として捉えられることが多いです。これらの要素が組み合わさることで、彼の正体や彼が遺した「ヒノカミ神楽」の真価が、物語全体に重要な役割を果たしているのです。
伏線未回収：鬼舞辻無惨の呪いと例外者
「鬼滅の刃」における鬼舞辻無惨の呪いは、作中で重要な役割を果たしています。
無惨は人間に自分の血を与えて鬼に変える能力を持っており、この過程で受ける呪いは非常に厳しいものです。
無惨の呪いの具体的な効果
無惨の血を受けた者は、鬼になるだけでなく、彼の呪いによって自由を奪われます。
この呪いにより、無惨の名前や彼に関する情報を口にすることができなくなり、もし口にすれば呪いが発動して命を落とします。
例えば、朱紗丸は珠世の血鬼術の影響を受けて無意識に無惨の名を口にし、その結果命を落としてしまいました。
呪いからの解放
無惨の呪いから解放される方法は非常に限られていますが、例外的に珠世と禰豆子はその影響を受けていません。珠世は、無惨が縁壱によって一時的に弱体化した際、その場に居合わせたことから呪いが解け、その後自らの力で完全に呪いを解除しました。また、禰豆子も鬼になった直後に何らかの方法で呪いを解除しています。
他にも猗窩座や浅草で無惨によって鬼にされた男性が呪いを解除している事例がありますが、これらの呪い解除の具体的な方法は作中で詳しく語られていません。これらの事例は、無惨の支配から逃れるための希望の光として、物語に深みを与えています。
伏線未回収：宇髄天元の失われた家族＆忍の兄弟
「鬼滅の刃」の物語では、多くのキャラクターの過去が重要な役割を果たしますが、音柱である宇髄天元の背景には特に心を揺さぶるエピソードがあります。
厳しい過去と家族の悲劇
宇髄天元は忍の一族出身で、その生い立ちは極めて厳しいものでした。彼の父親は非常に冷酷で、自らの子どもたちを消耗品のようにしか見ておらず、過酷な訓練を強いられていました。この過酷な環境の中、天元の多くの兄弟は生き残ることができず、次々と命を落としていきます。
しかし、天元には唯一生き残った弟がおり、その弟は父親によく似ていたとされます。この事実は天元に大きな恐怖を与え、自らも同じ運命を辿ることを恐れる一因となりました。
運命を変えた選択
結局、天元はこの過酷な忍の世界を離れる決断をし、三人の妻と共に新たな生き方、すなわち鬼殺隊の一員としての道を選びます。一方で、生き残った弟のその後の運命は作中では明らかにされていません。彼が物語のどこかで再び登場する可能性については触れられており、彼が鬼になって現れるのではないかという推測もなされていましたが、最終的には登場することはありませんでした。
このように、宇髄天元と彼の弟との間には、忍としての運命と家族との絆の間で葛藤があったことが示唆されています。天元が忍を辞めたことで、弟が一族の長として残った可能性もあり、その背景には深い物語が隠されているかもしれません。
伏線未回収：新上弦の伍の謎
「鬼滅の刃」の物語の進行に伴い、多くの上弦の鬼が登場し、彼らの中でも特に注目されたのが新上弦の伍の存在です。
新上弦の伍の空席
刀鍛冶の里の戦いで上弦の陸、伍、肆が鬼殺隊によって倒されたことにより、これらの位置に空席が生じました。その後、柱稽古編で鳴女が上弦の肆に、そして獪岳が上弦の陸に昇格する様子が描かれました。獪岳は元隊士から鬼に転じたばかりでありながら、すぐに上弦の陸へと昇格し、その力の大きさを示しています。
これらの昇格により、新たな上弦の鬼が登場したものの、上弦の伍の位置は引き続き空席のままでした。物語の中で新上弦の伍の登場が期待されつつも、結局登場することはありませんでした。
新上弦の伍に関する憶測と未解明の点
宇髄天元の弟が新上弦の伍ではないかという憶測もありましたが、この説は確認されることはありませんでした。新上弦の伍の空席がなぜ埋まらなかったのか、その理由は物語の中で明らかにされていません。
このように、新上弦の伍に関しては多くの謎が残されており、ファンの間でさまざまな推測が交わされています。今後の展開や追加の情報で、これらの謎が解明されることを期待する声も多くあります。
鬼滅の刃の謎：無惨を鬼に変えた医者の真実
「鬼滅の刃」の中で、無惨を最初に鬼に変えた存在は「善良な医者」とされています。無惨が鬼となるきっかけを作ったこの人物について、その詳細を掘り下げます。
無惨の命を救おうとした医者の行動
無惨は生まれながらに体が弱く、医師たちは彼が20歳を迎える前に死んでしまうだろうと診断しました。この運命を変えるべく、ある善良な医者が無惨の治療を引き受けます。この医者は無惨に様々な治療を施し、最終的に「青い彼岸花」を用いた薬を処方しました。
しかし、治療が功を奏する前に、無惨は忍耐力を失い、その医者を殺害してしまいます。皮肉なことに、医者が殺された後にその薬が効果を示し、無惨は不死の体を得るものの、鬼へと変貌してしまったのです。
医者の意図と真実
この医者が無惨を救おうとした行動は純粋なものでしたが、彼が殺害されたことで、真意を確かめることは不可能になりました。一部では、彼が故意に無惨を鬼に変えようとしたのではないかという憶測も飛び交いますが、証拠はありません。
アニメではこの医者が既に登場しており、その表情からは善良さよりも何かを企んでいるようにも見えるため、視聴者の間でさまざまな議論が交わされています。しかし、彼がただの優しい医者であった可能性も否定できません。
無惨を鬼に変えたこの医者の行動は、物語における重要な転換点でありながら、その動機や背景は依然として謎に包まれています。
伏線未回収：善逸の出自と両親の謎
「鬼滅の刃」の中で、善逸は主要キャラクターの中で唯一、幼少期の背景や家族のエピソードがほとんど明かされていないキャラクターです。
これが彼の人物像に一層の謎を与えています。
善逸の少年時代と両親の不在
作中では、善逸が幼少期に借金を抱えていたことが語られていますが、その借金は育ての親によって肩代わりされており、これが彼が隊士としての道を歩むきっかけとなりました。しかしそれ以前、彼の生い立ちや両親に関する具体的な情報はほとんど揭開されていません。
物語が進む中で炭治郎や伊之助との会話の中で、善逸が「捨て子」であることが伊之助の回想を通じて判明します。この事実は彼のキャラクターに新たな深みを加えると同時に、多くの読者に衝撃を与えました。
また、彼は自身の両親について語ることがなく、その顔さえ知らないとのこと。善逸の過去については、彼自身も詳しいことを知らない模様です。
善逸の両親についての未解決の謎
物語の終盤に向けて、善逸の両親についての詳細が明かされる可能性がありましたが、最終的には彼の両親の正体や過去の物語は登場することはありませんでした。これにより、彼の出自や家族に関する謎は解明されることなく終わりを迎えました。
鳴女が善逸の母親説
一部ファンの間では、鳴女が善逸の生みの親だったのでは？という説が浮上しています。
理由は大きく２つあります。
まずは善逸が雷に打たれる前の時の髪質と、全く同じであること。
鬼滅の刃の世界では、家族の髪質・髪型が激似であることが多いです。
炎柱の煉獄家、産屋敷家なども遺伝子の強さを感じさせるくらい、髪質・髪型が全く同じ状態のため、鳴女と何らかのつながりがあると推測されています。
もう１つは琵琶の演奏と鳴女の生い立ちです。
鳴女は遊郭などで琵琶を演奏して生計を立てていました。
善逸といえば聴覚がとても優れており、遊郭編では一時期琵琶に打ち込む姿も描かれているほど。また善逸が遊郭など世間に詳しいのも孤児時代にその界隈で生活していたからです。
鬼滅の刃という作品の性質上、単なる偶然、設定被りとは思えないので、何かしら意味があるとファンの間で考察されています。
善逸のキャラクターが持つこのような未解明の部分は、彼の魅力の一部とも言えるでしょう。今後の展開や外伝で彼の家族背景に光が当たることを期待するファンも多いかもしれません。
伏線未回収：禰豆子が太陽光を克服した理由
「鬼滅の刃」において、禰豆子が太陽を克服したことは、鬼としての大きな進化を示す出来事です。これまで、太陽光を克服した鬼は歴史上存在しませんでした。
太陽克服の過程とその可能性
無惨でさえ首の弱点を克服した後も、1000年を超える長きにわたり太陽光を克服することはできませんでした。しかし、刀鍛冶の里での激闘の際、禰豆子はなぜか太陽光を克服することに成功します。この驚異的な変化には、多くの研究者も注目しており、特に珠世がその研究を進めていたことが炭治郎への手紙から明らかになっています。
禰豆子の細胞が異常な速度で変化したことが太陽克服の一因とされていますが、具体的なきっかけや理由については明らかにされていません。禰豆子の太陽克服には、彼女の特殊な体質が関係しているのかもしれません。
炭治郎の太陽克服との関連性
物語のクライマックスでは、禰豆子は人間へと戻ることができましたが、その後の展開で炭治郎が無惨によって鬼へと変えられてしまいます。炭治郎も短期間の苦しみの後、太陽を克服しました。これは禰豆子と同様に、炭治郎の体質にも何らかの特別な要素があったことを示唆しています。
この二人が太陽を克服できた背景には、竈門家の血筋や隠された何かがあるのかもしれません。この点についての更なる説明は作品中ではされていませんが、ファンの間ではさまざまな推測が飛び交っています。
鬼滅の刃の謎：産屋敷家の財源の謎
「鬼滅の刃」に登場する産屋敷家は、代々鬼殺隊の指導者として知られており、隊士たちへの物資支給も担っています。
隊士の給与と産屋敷家の財政
産屋敷家は鬼殺隊の運営を賄うために莫大な資金を提供しています。例えば、鬼殺隊の最下級階層である癸の隊士でも初任給が20万円からスタートし、階級が上がるにつれて給与も上昇します。特に、柱として最高位に達すると、必要なだけ給与を受け取ることができ、ほとんどの柱が豪華な自宅を保有しています。
しかし、産屋敷家の財源の出所については作品内では具体的に語られることがありませんでした。隊士への給与支払いがこれほど充実しているにもかかわらず、その資金がどのようにして確保されているのかは一大謎となっています。
先見の明と財源確保
産屋敷家には代々先見の明と呼ばれる未来予知能力が受け継がれており、これが鬼殺隊の多くの危機を乗り越える助けとなっていました。この先見の明が財源確保にも利用されていた可能性があります。たとえば、未来の市場動向を予測して投資を行うことで、巨額の資金を築いていたのかもしれません。
このように産屋敷家の経済基盤は、物語中でも明かされることはなく、多くのファンにとっての興味深い話題となっています。
鬼滅の刃の謎：「炎の呼吸」と「火の呼吸」の違い
「鬼滅の刃」において、炎の呼吸と火の呼吸は異なるものとして扱われています。この区別は作中で特に強調され、多くのファンにとっても混同しやすい部分です。
なぜ「火の呼吸」と呼んではいけないのか
物語の中で炭治郎が胡蝶しのぶにヒノカミ神楽のことを相談した際、「炎の呼吸」を「火の呼吸」と呼ぶべきでない理由について問うシーンがあります。しのぶは具体的な理由を説明することなく、煉獄杏寿郎に聞くことを勧めましたが、煉獎もヒノカミ神楽の詳細を知らないため、疑問は解決されませんでした。
この背景には、日の呼吸との混同を避けるための配慮があると推測されます。日の呼吸は、全集中の呼吸の元となったもので、過去に縁壱が極めた技です。縁壱によって無惨が圧倒された結果、無惨は日の呼吸を恐れ、その使い手や知る者を徹底的に排除しました。
日の呼吸との混同・鬼から護るため
もし「火の呼吸」という表現が使われることで、無惨に日の呼吸が残っていると誤認される可能性があるため、鬼殺隊は「炎の呼吸」という表現を厳格に使っているのかもしれません。
また無惨は縁壱の存在と技を恐れ、日の呼吸の鬼殺隊隊士を根絶やしにしてきたというのです。このため、日の呼吸の隊士を無惨たち鬼から隠す・護る意味合いも含まれていたのではないでしょうか。
このように、用語の使い分けには鬼との戦いにおける戦略的な理由が隠されているのです。
