恋柱・甘露寺蜜璃（かんろじみつり）がお見合いでなぜ続けて失敗してしまったのかを深掘りしてみたいと思います。
甘露寺蜜璃は、彼女の好きな桜餅を食べた結果、彼女の髪が桜色と緑色に染まりました。 また非常に珍しい筋力を持ち、柔軟性と力強さを兼ね備えた恋の呼吸で鬼を退治することに成功しています。
鬼殺隊の柱として、多くの隊員から憧れられる存在であった蜜璃ですが、隊に入る前は自らの長所をコンプレックスと感じ、苦しんでいた時期には、お見合いに失敗し続けた過去があります。
甘露寺蜜璃のお見合い失敗談
独特な髪色
甘露寺蜜璃の目を引く特徴として、その桜色と緑色の髪があります。これは、彼女が大好きな桜餅を一日に170個も八ヶ月間食べ続けた結果です。彼女にとっては魅力的な髪色かもしれませんが、物語の舞台である大正時代の社会では、非常に珍しい髪色として目立ってしました。そのため、見合いの際には「その変わった髪色が子供に遺伝すると考えると怖い」という意見を受けてしまいます。
食事量の多さ
蜜璃は非常に大きな食欲の持ち主で、一度の食事で相撲取り三人分以上を平らげることができます。これは、刀鍛冶の里での夕食時、炭治郎が見ても憧れるほどでした。しかし、この食事量が見合い相手には「君との結婚は熊や猪、牛しか考えられない」という非情なコメントを引き出してしまいました。当時の日本では女性に対して控えめな振る舞いが求められており、男尊女卑の価値観が強かったため、彼女の食事量は否定的に捉えられてしまったのです。
甘露寺蜜璃のお見合い失敗のさらなる理由
特異な体質と抜群の力強さ
甘露寺蜜璃は生まれながらにして筋肉の密度が一般人の8倍という非凡な体質を持っていました。幼少期からその才能が顕著でしたが、当時の社会では女性が男性以上に力強いことは望ましくない特性と見なされがちでした。このため、蜜璃は自分の力を隠すようにし、弱いふりをすることで周囲に順応しようと努めていました。
蜜璃を受け入れる度量のある男性に出会えなかったこと
結婚相手を探す過程で、蜜璃は自己を偽り、男性が好むように振る舞うようになりました。しかし、その偽りの自分を愛してくれる男性と出会い、蜜璃は自分自身と向き合うことを決意します。彼女は自分の才能を活かし、他人のためになれる場を模索し、最終的に鬼殺隊に入隊し柱としてその地位を確立します。彼女の存在全てを受け入れてくれた伊黒小芭内との出会いが、その決断を後押ししました。
鬼殺隊での経験は、自分自身を受け入れ、自らの場を見つけるための旅であり、真のパートナーを見つける過程でもありました。見合いでの失敗は、蜜璃の特性を理解し受け入れる度量が見合い相手になかったためであり、その失敗は蜜璃に原因があるのではなく、相手の浅はかな見方にあったと言えるでしょう。
まとめ考察
甘露寺蜜璃の物語を通じて伝えたいメッセージは、自己受容と社会の期待との間の緊張関係について深く掘り下げることにあります。
蜜璃のキャラクターは、一見すると非常識な振る舞いや外見によって、しばしば誤解や偏見に直面しますが、これは現代社会における個性と共同体の期待との対立を象徴しています。
特に、彼女の強さや独特の髪色が社会的に受け入れられない部分を強調することで、社会が個人の個性をどの程度受け入れるか、また個人が自己をどの程度偽ることなく表現できるかという問題を提示しています。
さらに、蜜璃がお見合いで経験する失敗は、彼女が自分自身とどのように向き合うか、自己を偽ることなく本当の自分を受け入れる人物と出会うことがいかに重要かを示しています。
伊黒小芭内との出会いは、相手が全ての面で自分を受け入れてくれることの重要性と、それによって自分自身がどのように成長し、満足感を得られるかを教えてくれます。この物語は、個人が自己を偽ることなく真実の自己を受け入れることの大切さを、読者に強く印象付けるものです。
