「逃げ上手の若君」に登場する風間玄蕃は、多くの読者からその素顔についての関心が寄せられています。彼のキャラクターは一見すると完全にフィクションのように思えますが、その魅力的な造形や行動には実は元ネタが存在するのではないかと考えられています。
この謎多きキャラクターのモデルには、実際に存在したかもしれない人物についての憶測が飛び交っています。今回は、風間玄蕃がどのような人物を元にしているのか、またその歴史的背景や人物像に迫る解説を行います。彼の背後に隠された真実を探ることで、キャラクターの理解が一層深まるでしょう。
「逃げ上手の若君」風間玄蕃の素顔とその謎
風間玄蕃の仮面とその由来
風間玄蕃は物語の中で常に狐のお面をつけて素顔を隠しています。この狐のお面は彼の父親から譲り受けたもので、父親も同様に策略を張り巡らせていた人物でした。
父親は最終的に主君から否定され、追放される運命にありましたが、死の間際にこの仮面を風間玄蕃に託しました。それ以来、風間は父の遺志を継ぎ、常に仮面をつけています。
風間玄蕃の素顔が明らかになる瞬間
長い間隠されていた風間玄蕃の素顔が、物語の116話で初めて明らかになりました。
火薬を作る過程で事故が起き、夏と共に肥溜めに落ちてしまい、その際に仮面の中に不意に糞が入り込んでしまい、仮面を外す羽目になります。
この時、風間玄蕃の素顔を見た夏は赤面しました。彼の素顔は見る者を赤面させるほどのイケメンだったとされていますが、顔の詳細はモザイクに包まれていて明かされていません。以降、風間玄蕃は再び仮面をつけて素顔を隠し続けています。
「逃げ上手の若君」風間玄蕃の元ネタ・モデル
風間玄蕃のモデルとされる狐の伝説
「逃げ上手の若君」に登場する風間玄蕃は、そのユニークなキャラクターが魅力的ですが、彼の元ネタについては具体的な実在の人物は存在しないとされています。
しかし、彼のモデルとなるかもしれないのは、長野県塩尻市の桔梗ヶ原に伝わる玄蕃之丞という狐です。
この狐は、悪戯好きで周囲の人々を困らせたことで知られ、風間玄蕃のキャラクターに影響を与えたと考えられています。
元ネタ伝説の狐の悪戯活動
長野県を舞台に悪戯を繰り返した玄蕃之丞は、地元民に多くの手を焼かせました。例えば、雨が降っていない夏の日に、雨が降っていると偽って人々に傘をさせ、馬の糞をおはぎと偽って食べさせたり、畑を池と偽って人々を水に浸からせたりしました。さらに、嫁入りする人々を宴会場から遠ざけ、自分たちが新郎新婦に変装して宴会に参加するという荒技も披露しています。
大名行列に化けた悪戯とその帰結
玄蕃之丞は部下たちと共に大名行列に化ける悪戯も行いました。これにより民が敬意を表して平伏する様子を楽しんでいましたが、やがてその悪行がばれ、民からの反撃に遭うようになります。ある時、実際の大名行列が贄川宿を訪れた際には、民が再び悪戯と勘違いして懲らしめたため、厳しい処罰を受ける事態に。この教訓から、民は次に玄蕃之丞たちが同じことをした場合に備えて、狐が好む鼠の天麩羅を仕掛けた壺を用意し、彼らを完全に罠にはめる計画を立てました。
最後の悪戯とその末路
時代が明治に移り変わり、年老いた玄蕃之丞は引退を考えていましたが、汽車の出現による衝撃を受けています。自分よりも新しい存在に挑戦することを決意し、狐たちと共に汽車に化けてレールの上を走りましたが、現実の汽車との衝突は避けられず、彼らは悲惨な結果を迎えます。この事件については、玄蕃之丞の部下たちが仕返しとして行った可能性も指摘されています。
玄蕃之丞のエピソードと風間玄蕃のキャラクター
玄蕃之丞は悪戯を仲間の狐たちと共に行い、その中には新左衛門やお夏、与三郎、さえんといったキャラクターがいます。
これらのエピソードは、風間玄蕃が狐の面を被り、相手を出し抜く行動に直接的な影響を与えているとされています。特に、彼の物語における狡猾さや策略は、玄蕃之丞の伝説から着想を得ている部分が大きいと言えるでしょう。
