「転生したらスライムだった件」(以下、転スラ)は、伏瀬によるなろう系小説作品です。
平凡なサラリーマンの主人公・三上悟が通り魔によって殺害され、その死後、異世界で最弱のスライムとして生まれ変わります。
悟はさまざまな人々との出会いを通じてスキルや能力を獲得し、やがて「名付けの魔物」リムル=テンペストとして地位を築き、魔物の町を築くことになります。
この物語は2013年に投稿小説サイト「小説家になろう」で連載が始まり、その後、書籍版や漫画版、アニメ版など多様なメディアに展開されました。
特に漫画版は原作のweb版や書籍版とは異なるストーリー展開を見せています。
この記事では、転スラのweb版と漫画版の違いについて詳しく解説します。
また、転スラをまだご覧になっていない方にも、どのメディアから楽しめるのかをご紹介しますので、ぜひご覧ください。
「転生したらスライムだった件」のWeb版と漫画版の違いについて
「転生したらスライムだった件」は、まずWeb版としてスタートし、その後商業化されて多様なメディア形式で展開されてきました。
Web版は2013年に連載が開始され、2015年に完結し、この作品のすべての派生作品の源流となっています。その後、加筆修正を経て書籍版が制作され、これが漫画版の基になりました。
制作の流れは、Web版から書籍版、次に漫画版と続き、最終的にはアニメ版へと展開されています。少し複雑に感じるかもしれませんね。原作者によれば、Web版を商業小説化する過程で、内容の整合性が徐々に変化し、Web版は元々のプロットとして位置付けられるようになったとのことです。
このため、書籍版はWeb版よりも内容が充実しており、物語の深みやキャラクターの魅力がより強調されています。
漫画版はこの書籍版を基にしており、大きなストーリーの変更はありませんが、視覚的な要素が加わることで、内容の理解が深まり、読みやすさや楽しさが増しています。
「転生したらスライムだった件」のWeb版と漫画版のストーリー比較
「転生したらスライムだった件」は、Web版と漫画版で基本的なストーリーラインは同じですが、細部にはいくつかの加筆修正が加えられています。
今回は、特にリムルが初めて出会う女性転生者、シズと、彼女に憑依しているイフリートに焦点を当てて説明します。
シズは外見が高校生くらいの少女ですが、実際には70歳近い元日本人。彼女の背後にあるイフリートの憑依の背景についても触れます。
WEB版
Web版の場合、シズは約60年前、8歳のときに魔王レオンによって召喚され、大やけどを負いながらもイフリートを憑依させられました。
年齢とともにイフリートの制御が困難になり、リムルとの出会いでイフリートが暴走。
しかし、リムルは彼を捕食してシズを救うものの、シズはその後急激に老化し、リムルの中で平和に眠ります。このエピソードでイフリートは物語から姿を消します。
漫画版
一方、漫画版ではイフリートの運命が大きく異なります。リムルに捕食された後、イフリートはヴェルドラというキャラクターと出会い、彼と共に時間を過ごすことになります。
ヴェルドラはイフリートを友達として受け入れ、将棋の相手や会話相手としての役割を果たします。
後に、リムルの願いによってイフリートは「カリス」という新たな名前で復活し、魔王級の強さを持つようになります。
さらに、リムルと旧主の魔王レオンが協力する場面で、イフリートは重要な役割を果たします。
漫画版では、イフリートが他のキャラクターとの関わり合いや、さらなる活躍を見せるシーンが豊富に描かれています。
「転生したらスライムだった件」のWeb版と漫画版の展開比較
「転生したらスライムだった件」は、Web版と漫画版でそれぞれ異なる魅力が楽しめます。Web版は全249話に加えて外伝2編が完結しており、原作としての役割を果たしています。
一方、漫画版は2023年9月の時点で24巻が刊行されており、まだ連載が続いています。
多くのファンが感じるように、小説から漫画への移行で内容が薄れることが心配されることがありますが、転スラの漫画版はその心配をよそに、原作の面白さをしっかりと引き継いでいます。特に、ヴェルドラの観察日記などのエピソードは読者にとって楽しいひとときを提供しています。
漫画版はその視覚的な表現により、登場するキャラクターの造形が一目で理解でき、ファンにとっては推しキャラクターを見つけやすくなるなど、新規ファンにも入りやすい形式を提供しています。
また、完成された作品としての満足感を得られるWeb版は、文字だけの表現ながらも深いストーリー展開を楽しむことができます。
これから「転スラ」を始める方には、漫画版からの入門をおすすめします。
ビジュアルが豊かで物語の世界に没入しやすいため、キャラクターたちとの出会いも一層楽しめるでしょう。
そして、その後でWeb版を読むことで、漫画版との違いを楽しみながら原作の深い世界観に触れることができます。ぜひ、両方の版を読み比べてみて、それぞれの魅力を発見してください。
まとめ
Web版はすべての派生作品の元となる大元のプロットであり、漫画版はこのWeb版を基に書籍版を経てさらに加筆修正が施されています。
特に、本記事ではシズとイフリートのエピソードの違いに焦点を当てました。
Web版ではイフリートはリムルによって捕食され死亡する一方、漫画版ではイフリートが捕食された後も生き延び、ヴェルドラとの間に友情を築き、最終的には魔王レオンと共に戦うという展開を迎えます。
Web版は全249話と外伝2編で構成されており、2023年9月時点で漫画版は24巻まで刊行されています。
どちらの版も「転スラ」の世界を楽しむための魅力的な選択肢となっていますが、読みやすさを重視する場合は漫画版のスタートがお勧めです。
一方で、原作に忠実な展開と詳細な情報を求める場合や、一気に完結したストーリーを楽しみたい方にはWeb版が適しています。
Web版と漫画版の違いを探りながら、それぞれの魅力を比較して楽しむのも一興です。