「呪術廻戦」には呪術師や呪詛師だけでなく、言葉を話す呪霊も登場します。その中でも特に人間味があり、多くのファンから人気を集めているのが、特級呪霊の「漏瑚（じょうご）」です。
漏瑚は呪霊側のリーダー的存在であり、登場頻度も高いキャラクターです。その一方で、しばしば「やられ役」として描かれ、多くの読者に親しまれています。
この記事では、愛される特級呪霊「漏瑚」の詳細について詳しく解説します。漏瑚が本当に死亡したのか、また「やられ役」とされる理由についても掘り下げていきます。
【呪術廻戦】漏瑚とは
漏瑚は「呪術廻戦」に登場する特級呪霊の一つで、原作やアニメにおいてその存在感を示しています。ここでは、漏瑚の基本情報や名前の由来、そして漏瑚の目的について詳しく紹介します。
基本情報
漏瑚は、「人間が大地を恐れる感情から生まれた」とされる特級呪霊です。彼は偽夏油（羂索）と共に行動し、呪霊の世界を作り上げることを目指しています。
漏瑚の頭部は火山のような形状で、怒ると火を吹くことがあります。単眼で、歯が黒く染まっているのが特徴です。
| 名前 | 漏瑚 |
|---|---|
| 等級 | 特級呪霊 |
| 発生源 | 大地 |
| 趣味 | 呪具集め |
| 声優 | 千葉繁 |
性格的には短気で、特に現代最強の呪術師「五条悟」に煽られると、頭部が噴火することもありました。それでも、信念を貫く一途な性格で、人間らしい一面を持っています。
漏瑚はその強さに関して宿儺からも高く評価されており、読者の中には「弱い」と誤解する人もいましたが、実際には呪霊や呪術師の中でもかなりの実力者です。
趣味は呪具の収集で、偽夏油が所持していた「獄門疆」にも興味を示していました。五条悟を倒せたら、獄門疆を譲り受けるつもりだったようです。
また、漏瑚は人間味のある呪霊として読者に親しまれており、真人と共に苦労する姿が描かれることもあります。
名前の由来
「呪術廻戦」の公式ファンブックによると、漏瑚の名前の由来については「欲が漏れている」といった意味があるかもしれないとのことです。しかし、具体的には「富士山や火山」をモチーフにしているとされています。
呪霊のコンセプトとしては、火（大地）、草（森）、水（海）の三つが設定されており、漏瑚は「火（大地）」の代表とされています。一方、花御（はなみ）は「草（森）」、陀艮（だごん）は「水（海）」を象徴しています。
漏瑚の目的
漏瑚の主な目的は、人間を駆逐して呪霊の支配する世界を作ることです。そのために、偽夏油（羂索）と協力しています。
漏瑚は「嘘偽りのない負の感情から生まれた呪霊こそが真に純粋で、本物の人間であり、偽物は消えて当然だ」とする信条を持っています。
彼は特級呪霊である花御や陀艮、真人と共に行動し、呪術師との戦いを繰り広げています。特に真人をリーダーとしつつも、漏瑚がまとめ役としての役割を担っています。
漏瑚の死亡シーン詳細を解説
特級呪霊である漏瑚は、作中で衝撃的な死を迎えました。強大な力を持つ漏瑚も、最終的には宿儺の圧倒的な力に敗北しました。この記事では、漏瑚の死亡シーンについて詳しく解説します。
虎杖に宿儺の指を与える
渋谷事変の際、漏瑚は気絶している虎杖悠仁に対して特級呪物である宿儺の指を渡しました。この時点で、虎杖の体内には少なくとも15本以上の宿儺の指が取り込まれていました。
宿儺の指に対する耐性がある虎杖も、短期間にこれほど多くの指を体内に取り込むと宿儺の意識が顕在化し、一時的に宿儺の意識が表面化する事態に発展しました。
漏瑚が宿儺の復活を手助けした理由は、宿儺を味方に引き入れることで呪霊が支配する世界を実現しようと考えたからです。
宿儺に賭けを受け入れる
宿儺が復活した後、漏瑚は宿儺の圧倒的な殺意に圧倒されました。宿儺の強大な力により、漏瑚は頭を上げることも許されず、結果的に頭部が斬撃で切り落とされました。
宿儺は漏瑚に対して「一撃でも当てれば呪霊側につく」と提案しました。この提案は、宿儺が戦いを楽しむためのものでした。
漏瑚は提案を受け入れ、宿儺との戦闘を開始しましたが、渋谷の街は灰塵に包まれていきました。最終的には宿儺に一撃も当てることができず、次第に追い詰められていきます。
漏瑚が極の番を使うも躱される
宿儺に対抗するため、漏瑚は極の番「隕」を使用しました。この技は渋谷一帯を炎に包み、周囲の建物を灰に変えるほどの威力を持っていました。
しかし、宿儺の素早さには追いつけず、「隕」は宿儺に当たることはありませんでした。宿儺は「当たればな」とコメントし、極の番「隕」の威力が高いことを示唆しましたが、それでも宿儺には効果がなかったのです。
宿儺の術式「開（フーガ）」によって死亡
戦いが進む中、宿儺は新たな術式「開（フーガ）」を使用しました。この技により、炎同士の戦いが展開され、最終的に漏瑚は火力で敗北しました。
漏瑚は炎の使い手でありながら、自身が焼かれて死亡する結果となりました。この戦いを通じて、宿儺の炎の火力の高さが明らかになり、読者からも注目を集めました。
漏瑚が「相手が悪い」「かわいそう」と言われる理由
特級呪霊の漏瑚は、強力な存在として知られていますが、一部の読者からは「弱いのでは？」という意見もあります。この意見の背景には、漏瑚が戦った相手の強さが影響しているようです。
漏瑚が戦った相手は、いずれも圧倒的な力を持つ呪術師や呪霊ばかりで、そのため漏瑚の戦績があまり良くないのは相手の実力によるものです。以下に、漏瑚が戦った相手とその戦いの詳細をシーン別に解説します。
漏瑚VS五条悟
漏瑚が最初に対戦した呪術師は、現代最強と称される「五条悟」です。五条は領域展開の学びを目的として虎杖を連れ出し、漏瑚との対決が始まりました。
漏瑚は五条の術式「無下限」の力に直面し、その強さを痛感しました。攻撃が全く通じないため、漏瑚は領域展開「蓋棺鉄囲山」を発動します。
しかし、五条は自身の領域展開「無量空処」を展開し、領域展開の押し合いで勝利しました。漏瑚は領域内で知覚と伝達を繰り返し、何もできない状態に陥ります。結果的に、五条の領域展開に敗北し、首をもぎ取られてしまいました。
漏瑚VS宿儺
漏瑚が本気で戦ったもう一人の相手は、歴代最強の呪術師「宿儺」です。宿儺は最低でも15本の指を取り込んだ状態で、漏瑚と戦いました。
宿儺は「一撃でも当てれば呪霊側につく」という条件で戦いを始めましたが、戦闘は完全に宿儺が優勢でした。漏瑚との実力差は歴然としており、最終的に宿儺の術式「開（フーガ）」の炎に焼かれて死亡しました。
漏瑚が戦った相手はいずれも最強の呪術師であったため、彼の実力が読者に伝わりにくい状況でした。これにより、漏瑚の実力が正しく評価されていないようです。
漏瑚の強さとは？術式と領域展開の詳細解説
特級呪霊である漏瑚は、五条悟や宿儺との戦いで敗北を喫しましたが、その実力は決して低くありません。漏瑚が負けた理由は、戦った相手の圧倒的な強さによるものです。
漏瑚の実力を理解するためには、彼の術式や領域展開を詳しく知ることが重要です。以下では、漏瑚の術式や領域展開の詳細、また彼がどのように強力な呪術師と戦ったのかを解説します。
術式
漏瑚は「人間が大地に対して持つ恐怖の感情から生まれた特級呪霊」であり、その術式は主に炎や溶岩を使った攻撃です。自然災害に匹敵する力を持ち、非常に強力な術式であることが分かります。
また、小型の呪霊「火礫蟲（かれきちゅう）」を生成し、強力な爆発を引き起こす技も使用します。この呪霊は大音量の奇声を発し、その後に大爆発を引き起こすという特異な能力を持っています。
術式の正式名称は原作で明示されていませんが、火山のような存在として描かれています。一般の呪術師が相手では歯が立たないほどの威力を持っていると推測されます。
領域展開「蓋棺鉄囲山（かいがんてっちせん）」
漏瑚が五条悟に対して発動した領域展開「蓋棺鉄囲山」は、領域全体が高温の溶岩に包まれた恐ろしい技です。この領域に入ると、普通の呪術師は即座に焼かれてしまうほどの威力があります。
しかし、五条悟の領域展開「無量空処」によって、その効果はほぼ無効化されてしまいました。領域展開の対決では、より洗練された領域が優位に立つため、漏瑚の「蓋棺鉄囲山」は五条に対して通用しませんでした。
七海や直毘人を一蹴する実力
漏瑚は、五条悟や宿儺に対しては圧倒的に敗北しましたが、実力は非常に高いことが証明されています。1級呪術師である七海建人や直毘人に対しては、瞬く間に倒してしまうほどの力を持っています。
陀艮が倒された直後、漏瑚は禪院真希、七海、直毘人の三人を一瞬で一蹴しました。あまりの速さに、彼らは動くこともできず、そのまま敗退しています。
このことから、漏瑚の実力が低いわけではなく、ただ対戦相手が極端に強かっただけであることがわかります。漏瑚は呪霊の中でも最強クラスの存在であると言えるでしょう。
宿儺からの「誇れ お前は強い」の言葉
原作14巻116話では、宿儺が漏瑚に対して「誇れ お前は強い」と称賛の言葉をかけました。この言葉は、平安時代を含む過去の呪霊や呪術師の中でも、漏瑚が非常に強かったことを示す宿儺なりの賛辞です。
宿儺の意外な称賛に対して、漏瑚は涙を流しました。これは、漏瑚が知らず知らずのうちに求めていた喜びの感情から来る涙だったのかもしれません。
漏瑚の復活の可能性を考察
漏瑚は呪霊側の存在で、呪術高専の敵キャラですが、その人間味ある行動や言動から読者に愛されているキャラクターです。ここでは、漏瑚が今後復活する可能性と、その場合の展開について考察していきます。
復活する可能性は低い
漏瑚は敵キャラでありながら多くのファンから支持されていますが、復活する可能性はかなり低いと考えられます。漏瑚は宿儺によって完全に焼かれてしまい、その肉体は再生不可能な状態にあります。
また、彼は満足した表情で最期を迎えたため、復活することで物語が複雑になる可能性もあります。このまま復活せずに終わった方が、物語が綺麗に締めくくられるでしょう。
生まれ変わる可能性
漏瑚が復活することは難しいですが、別の存在として生まれ変わる可能性はあります。作中では「次に生まれる時我々は我々ではない」と語られており、人間の畏怖の感情から類似の呪霊が生まれる可能性が示唆されています。
漏瑚の自我は再現されないかもしれませんが、似たような存在が新たに誕生するかもしれません。
漏瑚は人間になりたかったのか？
漏瑚は死の間際に「我々こそ真の人間だ」と発言していました。これは、負の感情から生まれた呪霊が純粋な人間だと信じていたことを示しています。
この言葉から、漏瑚が人間そのものになりたかったわけではなく、むしろ人間の位置に立つ呪霊でありたいという信条を持っていたことが伺えます。宿儺も「人間そのものではなく、人間の位置」と漏瑚に語っており、漏瑚は呪霊の立場から世界の頂点に立ちたいと考えていたと推測されます。
まとめ考察
『呪術廻戦』の中で、漏瑚のキャラクターとその展開には深い意味が込められていると考えられます。漏瑚は特級呪霊として非常に強力でありながら、五条悟や宿儺といった歴代最強の呪術師たちに圧倒されるという結果を迎えました。この対決の結果から、作者は漏瑚の強さとそれに対する評価が相対的であることを示しているのかもしれません。
漏瑚の敗北は、彼の強さが全く無力だったわけではないことを物語っています。彼は確かに強力な呪霊であり、1級呪術師を一蹴する実力を持っていました。しかし、五条悟や宿儺といった対戦相手が圧倒的な力を持っていたために、その力を発揮できずに終わってしまいました。このことから、漏瑚の強さが絶対的ではなく、相手の強さや状況によって結果が大きく変わることを描きたかったのかもしれません。
また、漏瑚の最期に対する描写や、宿儺からの賛辞の言葉には、彼のキャラクターの深さが反映されています。漏瑚が「我々こそ真の人間だ」と語ったことは、単に彼の存在が人間の価値観や感情を持っているというだけでなく、呪霊としての自らの立場や目的に対する深い認識があったことを示しています。宿儺からの「誇れ お前は強い」という言葉も、漏瑚の力を認めつつも、最強である宿儺の視点から見た彼の強さを評価しているのです。
漏瑚が復活する可能性が低いことや、生まれ変わる可能性が示唆されている点も興味深いです。これらは、キャラクターの終焉が物語の終わりを意味するわけではなく、むしろキャラクターの精神的な遺産や影響が次の世代に引き継がれる可能性を示唆しているかもしれません。漏瑚の存在が、呪霊の世界やその力のバランスにどう影響を与えるのか、またそれが物語にどのように反映されるのかを考えることができます。
総じて、漏瑚のキャラクターは単なる強敵としてだけでなく、彼の死や敗北を通じて、強さや価値の相対性、そしてキャラクターの影響力が物語全体にどのように作用するかを考えさせる存在であるといえるでしょう。
