「薬屋のひとりごと」の中心人物、猫猫（マオマオ）は、大人も顔負けの幅広い知識と鋭い洞察力を持っており、後宮で起こる数々の事件を解決へと導きます。彼女は薬や毒に対する情熱があり、好きなことにはとことん没頭する一方で、苦手なものは極力避けます。
猫猫が後宮へと向かう前に、彼女を育て上げたのは養父である羅門（ルオメン）です。物語が始まる時点では、猫猫の実の両親についての情報は明かされていません。
この記事では、猫猫の実の両親が誰なのか、そして羅門との関係について詳しく説明します。
「薬屋のひとりごと」猫猫の謎多き父親、漢羅漢
猫猫の父親は漢羅漢という人物ですが、彼女が父親と一緒に生活した記憶はありません。
漢羅漢は軍部に所属しており、その存在は後宮で働く猫猫にとっても遠い存在でした。彼の名前には、皇族に用いられる「羅」という字が含まれており、彼の家系が名門であることを示しています。
羅漢の軍師としての生活
羅漢は国の軍師として活躍しており、その階級は大尉です。彼は宮中行事においては他人のかつらをこっそり外すなど、自由奔放な行動を取ることがあります。
また、気が乗らない行事には参加しないなど、独自のスタイルを持っています。派閥に属することなく、他人ともあまり関わりを持たない孤高の存在ですが、その戦略や行動は敵には非常に警戒されています。
猫猫への異常な執着
羅漢は何度も猫猫が育った緑青館を訪れ、彼女の身請けを試みていますが、猫猫が妓女ではなかったために身請けは叶いませんでした。
羅漢が猫猫に執着する理由の一つは、彼が他人の顔を識別することができない顔盲であることにあります。
唯一、母親の鳳仙と猫猫の顔だけが識別できるため、彼は猫猫に非常に執着しています。
猫猫の羅漢に対する感情
猫猫は羅漢の存在が示されるたびに顕著な嫌悪感を示しています。
緑青館の主に妓女になるよう迫られた際も、猫猫はそれを巧みに避け、羅漢の元へ行くことを拒否しています。
猫猫にとっての父親は、彼女を育て上げた養父の羅門だけであり、羅漢を父として受け入れることはありませんでした。
しかし、彼女は羅漢を憎んでいるわけではなく、「嫌いだけど恨んでいない」と表現しています。
羅門が羅漢を高く評価していることに対する嫉妬も、猫猫の複雑な感情の一因です。
「薬屋のひとりごと」猫猫の母、鳳仙とは
「薬屋のひとりごと」の物語性豊かな登場人物の一人、鳳仙は猫猫の母として知られています。
彼女は花街で育った妓女で、その出自は彼女の複雑な人生を物語っています。特に羅漢との間に生まれた猫猫には、数々の興味深い背景があります。
鳳仙の才能と羅漢との出会い
鳳仙は非常に頭が良く、特に囲碁や将棋に秀でていました。彼女はこれらのゲームで高い腕前を誇り、花街での評判も高かったのですが、愛想が良くないため、彼女を理解し愛好する客は限られていました。羅漢との最初の囲碁の対局では、彼を圧倒し、周囲を驚かせるほどでした。
鳳仙と羅漢の関係は、単なる情事を超えていました。緑青館での日々は主に囲碁や将棋の対局で過ごされ、二人の間には深い精神的な結びつきが形成されていきました。そしてある賭けの結果、二人は結ばれ、その結果、鳳仙は猫猫を身ごもることになります。
猫猫の両親・羅漢と鳳仙の運命的な離別と再会
鳳仙との結ばれた後、羅漢は政治的な事件に巻き込まれ、叔父の失脚に伴い一時的に都を離れることを余儀なくされました。
このため、鳳仙が身ごもった事実も知らず、身請けの計画も中断されました。
長い分離の後の再会
羅漢が都へ戻ったのは3年後のこと。その時初めて、鳳仙との間に子供がいるかもしれないことを知ります。しかし、その時には鳳仙はすでに妓女としての地位も失い、緑青館の妓女ではなくなっていました。
羅漢が鳳仙と再会を果たそうと緑青館を訪れた際、彼は女主人によって冷たく追い返されました。鳳仙は高額な身請け金が設定されていたものの、羅漢との子を身ごもったためにその機会を失っていました。さらに、鳳仙は行方不明とされ、羅漢は彼女に再び会う方法を失ってしまいます。
最終的な再会と結びつき
後宮で働く猫猫の存在を知った羅漢は、彼女を利用して鳳仙との接点を見つけようと試みます。猫猫は羅漢との直接対決に応じ、策略によって彼を出し抜きます。その結果、羅漢は鳳仙以外の妓女を身請けすることを約束させられます。
しかし、緑青館を訪れた時、羅漢は鳳仙の歌を耳にし、彼女が病気で隔離されていることを知ります。この発見により、羅漢はついに鳳仙を身請けすることができ、長い間の分離に終止符を打つことができたのです。
猫猫と羅門の深い絆
猫猫は羅門を「おやじ」と呼び、彼を心の底から尊敬しています。羅門は養父として猫猫を育て上げた人物であり、彼女にとって非常に重要な存在です。
羅門と猫猫の特別な関係
猫猫は緑青館で生まれ育ちましたが、ある時期から花街の薬屋を営む羅門に引き取られて共に生活を始めます。
羅門は実は猫猫の実父である羅漢の叔父であり、猫猫にとっては大叔父にあたる人物です。
おやじの影響で医学・薬学に詳しくなった
羅門が官吏から医学の道に進んだ背景には、道端の浮浪児への同情があり、その結果として後宮医官となりました。
この経緯から、猫猫にとって羅門はただの養父以上の意味を持つ存在となっています。
